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[コメント] パッチ・アダムス(1998/米)

天賦の才のある人だ。でもそれだからこそ、なおさら学びどころを間違えるととんでもないことに。「土足で人の心踏みにじりやがって」みたいなことにもなりかねない。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







みんながみんな、人の心の治療の仕方に長けてるワケではなく、大抵の人間は不器用に出来てるワケで。だからこそ人は他人に対して一定の距離を保ちつつ、少しずつ、少しずつ、不器用な手で探りながら歩み寄っていくのだと思う。

それをパッチのペースに合わせて見ていると、感服する半面戸惑いも隠せない。「少しは人間に興味を持ちましょう」という程度のメッセージとして受け止めておいた方が無難かと。まあ迷いのない人間の見せる行動力には敬服するが(それは怖さと紙一重であったりもするけど)。

とにかくパッチが素晴らしい人だということは十分解るので、オーバーな脚色でコーティングする必要もないかと思われ、という点では皆様の意見に概ね賛成。素晴らしい面ももちろんあるけど、秀でてるがゆえに偏った人であることも事実だと思う。そこらへんが過剰で一面的な脚色で冷静に見えてこないのだ。

それからパッチの偉業そのものよりも、個人的にはパッチ自身がどうしてそんな人間になったのか、ということの方にむしろ興味がある。迷いを見せずに進んでいく人間を見るよりも、迷いや葛藤があってこそ、人間ドラマは深みが生まれると思うので。このドラマには恋人の死という一点のみにしか(本当の意味での)挫折がない。本当は簡単に片付けられてた序章にあたる「それまで」の部分をじっくり見てこそ、本当の意味でパッチという人間を身近なものとして受け止められるような気がするのだが・・・。

(2003/1/16)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)たいへい[*] スパルタのキツネ[*] mal

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