[コメント] シン・レッド・ライン(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『地獄の黙示録』から『プラトーン』へ。コッポラからオリバー・ストーンへ。『シン・レッド・ライン』から『プライベート・ライアン』へ。テレンス・マリックからスピルバーグへと、戦争映画の解釈はその時代の変遷に合わせて微妙に変化する。 変化は美しい。 『プライベート・ライアン』とこの映画の論評を比較することは全く無駄なことだ。 前線で戦う兵士の目の前に確かに存在する『シン・レッド・ライン』を静かで美しい映像に間違いなく見ることができた。 戦争をこれほどまでに美しく描いておきながら、冷たく突き放すような終わり方。これがマリックの言いたかったことなのではないか。 『フルメタル・ジャケット』にも似た無機質な表現は、『天国の日々』を見れば何となく良くわかる。
2012/4/7再見
ガダルカナル島の穏やかな日々。脱走兵の若者は母の死を思い出して「自分も穏やかに死にたい」と語る。僕は違うと思った。僕なら思い切ってガッと何もきづかぬうちに死にたい。この若い兵隊は満たされていると思った。
この世に世界は一つしかないと上官(ショーン・ペン)は言う。しかし若者は「見ましたよ」と言う。それが『シン・レッド・ライン』の向こう側なんだろう。
海兵隊のリーダーも死に向き合っている。穏やかな海を見つめている。
みんな死を見つめている。
穏やかに醒めている。
これが戦争。
それにしても美しい自然。そこで一進一退の攻防が始まる。不釣り合いな光景。
凄まじいリアリティ。
それが全て兵士の目線で写される。時々画面に写される蛇や死にかけた鳥、蝶など、その対比もリアルだ。
カメラを横切る銃弾の光。全てが美しい。
美しさの中の地獄。耐え難い命令に押しつぶされる兵士たち。彼らの胸に去来するのもは故郷の妻。
人の死が地球の役に立つのか?
『ツリー・オブ・ライフ』を見た後、改めてこの作品を鑑賞したが、家族をテーマに自然を描いたあの作品とコンセプトは変わらない。
いずれもミクロの話を地球規模のマクロ的壮大なテーマに敷延するパワーはテレンス・マリックならではだ。
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