[コメント] 薄桜記(1959/日)
現代の感覚からすれば人物造形に難あれど、そんなことを吹っ飛ばす昭和30年代の日本の映画界の実力にひれ伏すしかない出来映え。
この映画の方が五味康祐の原作の味わいに忠実なのだろうけど、同じ原作をより現代的な感覚の物語に改作したようなジェームス三木脚本によるNHKのテレビドラマの方が、話としては遥かに面白い。
それでも、画面から溢れ出て来る「映画的パワー」の強烈さで、この映画の方が強く印象に残ってしまう。無闇にかつての「黄金時代」を持ち上げるつもりはないけれど、ハイヴィジョンで再現されたフイルムに定着されたこの映画の空気感には、美辞麗句を並べたくもなる。
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