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[コメント] 八月のクリスマス(1998/韓国)

直截的な言葉が無い分、心情に思いを馳せるとじんわりと胸が痛む。染みました。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最後まで二人の間に愛の言葉は語られない。笑顔で交される何気ない会話。そして相手に気づかれないところで見せる表情や行動、例えばすれ違ったスクーターが引き返して来る音にほころぶ表情、例えば職場の先輩に話して聞かせる「おならと幽霊」の話、その積み重ねで表現される二人の関係が愛しい。

命が消えても写真は残る。悪友と並んでの写真も撮った。そして葬式の写真も自分で撮った。だけど、彼女と二人いっしょにおさまった写真は無いんですよね。二人の愛は心の中の思い出としてだけ残る。彼は彼女に何も語らないまま旅立つ。これは彼の最後のわがままであり、精一杯の優しさなんでしょう。愛を抱いたまま旅立たせてくれたことへの感謝とともに。

いやぁ、心に染みました。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ことは[*] ナム太郎[*]

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