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[コメント] サイモン・バーチ(1998/カナダ=米)

そーいや誰か「この小石だって何かの役に立つんだよ、云々・・・」なんて言ってたヒトいましたねぇ。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そんなキ印も「神だけが知っている」とか言ってたので、コレってキリスト教的な考えなんでしょうか(宗教に疎いもんで)。

たった一人の親友から見た、異形の英雄が起こした奇跡の寓話。でも考えれば考えるほど、どうしてもサイモンの立場になってモノを考えてしまう。心のよすがを人間ではなく、宗教に求めざるを得なかったことがあまりに哀しい。彼にとって宗教はアイデンティティそのものだったのかと思うと・・・。

親友はいるとはいえ、その親友が本当に心のよすがにすべきは自分ではない(親、もしくはそれに代わる存在)、という事を多分知ってたのではないんだろうか。誰もが誰かを頼らざるを得ない世の中で、おそらく周りの人間みたいに未来に家庭を持つ夢さえ描けなかったサイモンにとって、誰かに頼りにしてもらいたいってのが、いかに切実だったか。「こんなカラダでも何かの役に立つ瞬間がきっとあるはずだ」と、自らの小さな体を神に託そうとした痛々しさ。

おそらく誰もそんな彼から宗教を取り上げることなど出来ないだろう。そしてそんな彼を見て、必要としている人間の心の中には、信仰は確かに生きづいている、などとも考えたり。クリスマス会後の司祭との会話で、彼が信仰のグラつきを見せたことが何より痛々しかった。

どうも焦点がズレた意見のような気もするけど、終始信仰というものについて考えさせらた映画でした。

映画自体も、脚本を始めとしてかなり丁寧に出来ていると思う。前半ちょっとナレーションに頼りすぎかなぁ、とも思ったりしたが。

(評価:★4)

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