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[コメント] シャイン(1996/豪)

芸術に狂わされ、そしてまた芸術に救われる。(『海の上のピアニスト』と『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』の感想もちょっぴり含む→)
は津美

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







海の上のピアニスト』とは全く似てないと思う。似ている?むしろ『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』の方が似ているのでは。音楽の物語であると同時に家族の物語だから。『海の上のピアニスト』のピアノは道具だてであって、人生ではないから。

音楽においては、人がその才能を開花させるのに親の存在が関与しない事はあり得ない、と私は思っている。当然ながらそこには様々なドラマが生まれるだろうし、実話という事もあるだろうがこの映画はそれ以上の何かを表現しているわけではない。だからあっさりとして薄い印象になってしまう。感動作にしろ、等と言うつもりはないが、もっと映画ならではの、高みに昇るような表現も出来るのではないだろうか?この作品では映画自体よりラフマニノフの音楽がそこへ連れていってくれている。

ただ、父親がやぶれたソファーをギュっとにぎりしめるところなどはいい。

(評価:★4)

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