ひとのカミさん（実際はカミさんじゃなかったわけだけど）寝取るくらい惚れたのであれば、最後まで貫き通して欲しい。この主人公はいったいなにがしたいんだよ。謎の究明よりも恋愛成就にしか興味ないような感じだったのに、急に正義感にめざめたのか？

そもそもこの犯罪計画、無駄に複雑すぎて全然現実的じゃない。なんでカミさんの先祖の霊とか持ち出す必要があるのか。結局物語上なんの必然性もなかったわけで、単にオカルト的な謎を作り出すためだけの意味しかない。それに主人公が警察に死体の確認とか求められたらその場で替え玉がばれてたはずじゃないか。どうもヒッチコックらしからぬ穴だらけの脚本で、これが時に彼の最高傑作にあげられるほどに高評価なのがまったく理解できない。一言でいえば、ご都合主義の駄作である。