[コメント] 道(1954/伊)
彼は野獣ではなく。(2003/01)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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マットは、なぜザンパノに喧嘩をふっかけたのか?古い知り合いであれば、彼の腕力も、性格も、当然知っていたはずである。「彼は君のことを愛しているんだよ」などとジェルソミーナに親切に教えてあげるくらいだから、彼を嫌っているわけでもなさそうだ。「つい、からかいたく」なってしまうのは、(作者の意地悪な意図でなければ)マットの中に無意識な自殺願望が有ったと考えてもおかしくない。彼は死に場所を探していた。そして、その凶器としてザンパノが選ばれてしまっただけ。
ジェルソミーナとの絡みについてもしかり。暴力はいただけないが、愛し方を知らない不器用(そしてだらしない)男のなす業と捉えられる範囲。ただ、ジェルソミーナが優しすぎただけ・・。
彼は普通の男だ。不器用で、正直で、少し運の悪かっただけの・・。だからもはや、「彼は野獣、特別な存在だからそういう境遇になっても仕方ないんだ」などと自分に言い訳することは許されまい。海辺の彼ののたうち回る姿を見て、私がやらなきゃいけないことはただ一つ・・時遅しとなる前に、愛する者を慈しむ、それだけだ。
人生短し・・。
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