[コメント] 秘密(1999/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作を先に読んだ。 広末は「WASABI」で演技力のある子だと思ってたから、 意外と悪くないんじゃないかと思ったんだけど、 いや、俳優陣はわりと頑張ってたと思うんですよ。 広末も「WASABI」撮影時より若い分、技量は落ちるが、 ちゃんと岸本加世子の面影を感じられるような演技ができてたと思うし。
文庫にしても、一般的な厚さの3倍くらいあるんだから、 それを2時間の映画にするためには、 沢山設定を変えなきゃいけないのはわかる。 だから、脚本の大幅な変更も目をつぶれなくはない。 だが、演出がどう考えたって悪い。 あんなにさくさく読めた原作が、 映画になるとどうしてこんなにもダルイテンポになってしまうのか。
それから、原作でも確かに、 旦那が「ひょっとして直子が演技してたのか?」と 気づくシーンがあるのだが、 それまでの持っていき方が巧みだし、 あくまで「ひょっとして」ということで、 答えは読者に委ねているような終わり方だったのが、 映画でこんなラストにされては夢も希望もない。
徐々にモナミが現れていく展開が、 全て演技だったのかって思わされるのはいやすぎる。 ていうか、一般人にあんな演技力ありえないよ。 特に、原作の方なんて、 映画よりももっともっとそのへんのくだりが多いわけで、 起きてられなくて眠る、 しばらくして起きる、 起きたら娘と妻が、妻と娘が入れ替わる、 それが全部演技だったなんて思いたくない。 原作を読む限りでは、ラストシーンではハッとするけど、 思い返すと、やっぱりそのへん無理があるし。 それが映画だと、全てがそのラストのために向かっているから、 思い返してもちゃんと演技っぽかったりして、 なにが気に入らないかってたぶん、そんな作りが気に入らなかったのかも。
まーそーゆーわけで、この場合、 監督や脚本家は、そっち側の解釈をしたということで、 その時点でもう私とは解釈が違いすぎるから仕方ないのだけど、 それが支持できない一番の要因なのだろう。 それにおいうちをかけるように、あのテンポの悪さときたら、 本作の評価は標準値以下になるということなのだな、とか思ってみたり。
それにしても、評価の高い方が沢山いてビビくりましたが、 是非みなさん原作も読んでみていただきたいものです。
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