[コメント] らせん階段(1946/米)
殺人者の存在と執着心は、その瞳と足元のアップで強調される。カメラが横移動し犯人の足元がフレームアウト。そのままカメラは不安に動揺するドロシー・マクガイアを視界に捉え、さらに横移動して木陰から彼女をうかがう犯人の後ろ姿を同一カットに納める。
豪雨のなか屋敷にたどり着く獲物を追う、この不気味で流麗な移動撮影にはうなった。
あと、若い医者、ベテラン看護婦、気つけ薬、盗み酒、メイドの夫と、人や物を次々に屋敷(物語)から退場させて、不在と孤立をさりげなく意識させる「引き算の話法」も面白かった。
冒頭の上映会のサイレント映画は「声」の不在の暗喩だろうか。
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