[コメント] 日本沈没(1973/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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話は控え目に見積もってもトンデモ・カルト系だが、こういう映画が存在するという、その存在自体が面白い。いったいどこの国が”お笑い”としてでなく、自国の領土が消滅してしまう話なんか語れただろうか(お笑いとしたってまずないだろう)。これと比べれば竹島や沖ノ鳥島の維持に汲々としてる今の日本なんか馬鹿に見える。
どなたかもおっしゃっているように、総理大臣・丹波哲郎の咆哮ぶりは今の小泉も真っ青なくらいなのだ(さすがに小泉よりは様になっている)が、ふとした静寂の瞬間に「このまま平凡な総理大臣として大過なく過ごすものだと思っていたのだが」みたいな台詞をポツリと漏らすのである。そこらへんの”リアリティのあり方”というか、時代の雰囲気と映画の中の空気を橋渡しする”説明”のあり方に、えも言われぬ時代の息吹を感じて興味深い。
先頃亡くなられた島田正吾さんが、これまた味わい深く政財界の長老格を演じているのだが、彼が一流の学者たちを使って用意させた(日本国のとるべき)3つのオプションのほかに、究極の回答とも言うべき第四の選択肢を述べるシーンなんぞ、そのあまりのあまりさに度肝を抜かれるゾ(それをまた丹波総理が鸚鵡返しに繰り返すところがいい味なのだ)。まさに、騙されたと思って、一度は観といてほしい作品である。できれば、大スクリーンで(と言っても結局赤reviewにしたから、ここを読む人はすでに観た人であるわけだが)。
75/100(05/01/11レビュー追記)
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