[コメント] 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942/伊)
マッシモ・ジロッティの粗野と繊細さ。惚れ惚れするほど原作のイメージに近い彼と対照的に、クララ・カラマイ演じるのジョバンナは紛れも無いヴィスコンティの女だった。知的で現実的な一方、官能と破滅に対しては実に能動的だ。
劇性とリアリズムの配分は、流石に金字塔となっただけの事はある、最高だった。
寝室の椅子に腰掛けて自らの不幸な生い立ちを告白する人妻ジョバンナ。スポットを当てた過剰なまでの劇性と、終始淡々と刻まれる時計の音。音楽が被さって来ても耳から離れない。
野外に於ける遠景、というか遠くにいる人物、の捉え方にも唸らされた。世界は動いているのだ。残酷にも。彼や彼女のことなどお構いなしに!
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