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[コメント] 血と砂(1965/日)

昭和20年夏の北支戦線。聖者の行進。少年兵の吹奏楽隊。画面奥から騎馬が来る。曹長の三船敏郎。そこに慰安婦の団令子も合流。
ゑぎ

 団は、三船を追いかけて部隊を渡り歩いている自由人、という設定なのだ。皆で川を渡った後、少年兵たちは、団のセクシーな姿を見て、立ち上がれなくなる。三船の「若いんだなぁ」と云う表情の優しさに涙が出る。

 中盤の駐屯地でのコンサート。赤とんぼ。花嫁人形。ロングショットが素晴らしい。ヤキバ砦の空間描写、双眼鏡画面の望遠撮影から、戦闘シーンへ至っての詳細な見せ方含めて非常に見応えあり。ラストの爆撃の中、演奏を続けるという、信じ難い映画的現実。後年の『ジャズ大名』のラストの混沌にも繋がっている。全体を通して団もベストパフォーマンスじゃないか。面白さだけでなく、岡本喜八にしかできない、やった人のいない、独創性が溢れている。

 2020年8月15日に阿佐ヶ谷で見る。

(評価:★4)

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