コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] さよなら子供たち(1987/独=仏)

「少年の目線」で描くというスタンスが最初から最後までまったくぶれていない。
緑雨

寄宿生活での少年たちの日常が淡々と描写される前半。起伏の無い出来事の羅列はややもすれば退屈になるところだけど、彼らの営みを見事なほどに自然に描き出されているので目を離すことができない。自分も、中学から男子校だったので(全寮制などではなかったが)この雰囲気はとってもよくわかる。

そしてそんな日常が「事件」に見舞われる後半。いったい何が起こったのか、幼い彼らに頭の整理などできるはずもなく、わけのわからないショックに襲われ、一生残る傷が深く心に刻まれたことだろう。その瞬間的な心情の切り取り様が、ものすごくリアル。『戦場のピアニスト』なんかとはまた違ったリアルさ。

ちょっと不良っぽく気取ってるけど実は繊細なジュリアン。一見気弱そうだけど芯のしっかりしたボネ。子役もとても良かった。

一貫して青白い色調の映像も印象的。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ダリア[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。