[コメント] カサノバ(1976/伊)
散々派手な口上を述べ、奇天烈BGMに乗せて披露した性技について大使よりいただくご講評が「お前の正常位には独創性がない」。この渾身の一発ギャグ以上のものがほとんどない。化粧、衣装、お追従、いかがわしい知識、下品で退屈な宴、あらゆる虚飾で隠される貧弱な肉体。何もなし得ず、ただただ醜く哀しいだけ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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交わらない会話。サーカスの大女の故郷の歌と涙。火に例えられたカサノバが劇場に一人残され、照明の蝋燭が吹き消されていく孤独。そこに現れる老いさらばえた母。住まいを尋ね忘れ、今生の別れとなる。このあたりでは胸をつかれるものがあったが、言いたいことがわかりやすいことも相俟ってとにかく退屈。愛されたかっただけ、つまり自己愛だけの男だったのだ。人形に向かうのもそのためだろう。冒頭の花火や仮装も比喩的で、説明は可能だろうがだから何ということもない。挿話と挿話のつながりに有機的なものを感じられず、ただただ垂れ流されていた印象。
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