個人的には別に反軍隊も構わないけど。真っ当に反軍隊の作品は米資本では作りにくいとでも思ったのか、ヒロインをおバカにして「お互い様」って感じにしてみたり（これが聡明な良妻賢母が、軍の隠蔽工作を暴くなんてことにしてない所が面白い）、時代を過去にしたり、脚本家が三人もいたり（おかげでなんとも崩壊していたり）、いろいろと涙ぐましい何かは感じる。

ドイツ人監督が作った『インディペンデンス・デイ』も、当の国民の多くに（なんと）そうと気付かせずに「アメリカ」と言うものに対して、なかなかの嫌みっぷりだったが、この作品は余り上手くあしらえていない。イギリス味ジョークの作品だと言うのはわかったから、いっそモンティパイソンぐらいまで笑えればなー。基本的にはシリアス路線の監督で、きっとギャグにほとんど慣れていないのだろう。（長女の手榴弾投げは、ちと笑ったが）しかし反核物としては、はしゃいでるだけのお子様な『博士の異常な愛情』なんかより、よっぽどワサビが利いている、と、個人的には思う。真実を告げた後のカウボーイたちの反応とかね･･･。ありゃすごい。

イラク攻撃開始の日に、テレビ東京が午後イチから放映。攻撃の速報と同時進行に米軍を小馬鹿にしたイギリス人監督の作品を鑑賞するのは、変にシュール。

そしてお昼のよろめきドラマとしてのニーズにもキチンと応えている所、相変わらずのあなどれないプログラム選択ぶりである。