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[コメント] シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(1976/米)

ユダヤ人が英雄ダビデを安易に絶対視せずに相対化したように、ホームズへの尊敬の行き過ぎの弊害を食い止めたと言ってもイイぐらい、ホームズのモリアーティ教授への執着の原因を分かりやすい「麻薬中毒」にして進めたアイデアは突飛で面白い。終盤の展開に目を閉じればの話だが。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キャンディーズじゃないけど、ホームズが言いたかったであろう「俺もいっぱしの普通の人間です」をジャンキー仕様の妄想オブラードに包んで映画に投げて代弁した老婆心したたり落ちる監督の勢いは認める。

フロイトがユダヤ教徒であることからも、このホームズ相対化作戦は見事的中。そのアイデアで作品を全て終わらすのではなく、ちゃっかり謎解きが施されているあたりのちゃらんぽらんなユーモアセンスを参考にしたいものだと感じさせてくれた。

…が、しかし、やっぱり終盤に差し掛かると実力のなさが露呈してくる。もう少し合理的に論理的にして展開していただきたいもの。力業で絵的な面白さを猛進してしまった汽車のシーンはダルダルの極みであった。

二回は見たくないが一回は見ていていいかもと思わせた、インフルエンザの予防接種的な佳作に一歩足を突っ込んだ駄作。

2003/5/14

(評価:★3)

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