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[コメント] 霧の中の風景(1988/仏=ギリシャ=伊)

何を思ったか、児童虐待映画。
uyo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







現実と虚構の境があいまいで、自分で自分の人生の選択がまだ出来ない年頃は、不必要に辛い思いをしないように、無条件で護られる権利があるのではないかと思う。お母さんのひざの上で、暖かく、満腹でいる「権利」だ。

お姉ちゃんのさせられた振る舞いは、まあ・・・、いいとしたとしても、下の子が、激烈な豪雨の中で立たされたり、生き物の死に立ち会わされたり、真っ暗闇の中で放置されたり、延々と歩かされたりするのはどうか。

どう見ても、「簡単」にちょちょいと撮られたとはとても思えないフィルムの「完成度の高さ」ゆえに、フィルム上に現れている以外にも必要とされる犠牲の大きさを考えずにはいられない。これが「ギリシャ式」なのか。私の日本的な感覚は、平和ボケか?上等だ。「芸術」のためには必要なのか。なら代わりにこけしでも立たせておけばいいだろう。

ロスト・チルドレン』でも『鬼畜』でも『ともだちのうちはどこ?』でも、子供がかわいそうな思いをさせられていても、これほどまでには感じなかったのだが。

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怒りに任せて書いた数日後、目の前にちらつく映像に悩まされていた。暗闇に縁取られた道路の鮮やかな彩り。空に浮かぶ手首の像。

私は肉を食べて生きているように、残酷なものを食らって生きているのか。それが創るという事なのか。

この作品の評価を変えるつもりはないけれども、「予告を見て本当に観たかったのは、『ユリシーズの瞳』だったんだ。確か主人公は、ハーベイ・カイテルだし。」と、自分に対して、言い訳をする事となる。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)tredair[*] かっきー[*]

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