[コメント] 恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(1989/米)
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今から15年前の秋、この映画をスクリーンで観た時の衝撃が忘れられない。 以来サントラ盤も含め、呆れるほど繰り返し観ている映画です。 DVDデッキを購入したので、ぜひともメイキングを堪能したく借りてきたけれど 残念ながら本編のみ。メイキング特典は収録されておらず・・・。
兄弟ピアノデュオ「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」は今転機を迎えている。 演奏15年というキャリアがあるが、どこのホテルラウンジも不景気で 演奏の仕事が激減しているのだ。ピアノ演奏を聞きにくる粋な客は 昔のようにいない。もう自分らのような仕事は時代遅れなのだろうか・・・。 兄弟は起死回生を図るべく、女性ボーカルを招き入れる。 スージー・ダイヤモンド。(ミシェル・ファイファー) この新しいスタイルが風向きを変えた。兄弟の連弾に、 ハスキーなスージーのボーカル、このコラボレーションが功を奏する。 新しい息吹を吹き込まれた「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」に 演奏依頼が殺到、3人は一躍有名人となるのである。
ピアノ奏者を演じた2人の俳優は、本当の兄弟ジェフ&ボー・ブリッジス。 劇中ほどではないが、本当にピアノが弾けるらしい。 その演技(指の動き)には、ただただ感心する。 ミシェルは、この映画出演が決まり数ヶ月ボイストレーニングを受けたと聞く。 キャスティングはもちろん、ストーリー、音楽(デイブ・クルージン!)、 ロケーション、セリフ、三位一体どころかそれ以上、 何一つケチつけられないパーフェクトな映画。
「夜」から始まり「朝」で終わるところも ジャックとスージーの「恋のゆくえ」を象徴していて洒落ている。 この映画の終わりは「END」ではなく「START」だ。 エンドロールの字幕が流れていても、銀幕の中では 3人が新たなる道を歩き出していることを知っている。 それぞれの物語の終わりは、次に進むステップのスタートライン。 何度リセットしてもいい。再生を繰り返して人は生きていくんだ。
ミシェルが歌う「マイ・ファニー・バレンタイン」が、今宵も胸を揺さぶる。
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