[コメント] わんぱく王子の大蛇退治(1963/日)
音楽と映像。どちらかが優位に立つのではなく、互いが互いとしっかり手を取り合っての、なんとも実り豊かなコラボレーション。
天の岩戸を前にした宴会シーンの、(どこか「春の祭典」を思わせる)土着のリズムに乗せての画の動きの楽しさもさることながら、やはり見所はクライマックスのヤマタノオロチ。音楽と映像が必死に互いを離すまいと食らいつき、絡み合うその真剣勝負のような様に、これはもしや「和製ファンタジア」なのか、とさえ。ともあれ、日本のアニメでこれだけ映像と音楽の共同作業が見事に開花した作品も珍しいのでは、と思う。効果音ひとつ取っても、実に音楽的。
あくまで児童に向けての、平易で優しい語り口ではあるけど、シンプルでありながら奥行きの深い「神話」という世界を再現するにあたって、同じくシンプルな平面のデザインでありながら奥行きの豊かな動きを見せるこの絵は、ある意味この上なくふさわしいもののような気もします。
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