[コメント] ミツバチのささやき(1972/スペイン)
説明に類するものが一切なく、時に神秘に見えるほど幻想的で、いろんなものが暗示的に込められている様にも思えるが、一方で実に現実的な映画じゃないだろうかとも思えた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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小さい女の子が、姉と母がグルになった質の悪いいたずらにむくれまくって、たまたま知り合ったおじさんに、父親の大事な上着を持ち出してあげてしまい、それがばれてこっぴどく怒られそうになったので、そのままプチ家出をして夜通しさまよい、ヘンなキノコを食べてしまってバッドトリップ。幸い翌朝には発見されて寝込んでしまったものの、まずはめでたしめでたし、みたいな。
実際、父親にばれて納屋の側で親父が「アナ!」と言った時の口調は、こっぴどく叱られそうな予感を子どもに与えるに十分なものだったし、光と影の使い方も特徴的ではあるが、電気の照明がない田舎の村で、日光と、ローソクやランプ、焚き火による灯りのみというのをリアルに表現しているだけにも見える。
ただ、解説などにある、ごく小さい子どもにとって、直前に見た映画「フランケンシュタイン」という物語と現実の区別が非常にあいまいになっていく、という点は確かに納得できるような気がする。
自分の遠い記憶をたどり、怖いテレビ番組を見た後はなんだかそれが本当のような気がして布団をかぶって怖がっていた、みたいな体験を呼び起こさせるだけの印象はあった。
けど、結局は子役のアナの可愛さにこの映画の魅力のすべては表れているようにも思える。何しろあの子がスクリーンにいる間はずーっと注目し続けてしまったのだから。
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