[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
天上へ伸びていくロケット、それを見上げるのはどんなにか素晴らしいだろう。もちろん、それを打ち上げようとすることも。
アメリカの田舎町で少年達がロケットを飛ばそうとする、という話らしいと聞いていたので、てっきりゴダートくらいの草創期の話なんだろうと思っていたら、実はフォン・ブラウン(大戦中にドイツでV2ミサイルを完成させた)がアメリカに渡って、アポロ計画を始める前の、いわゆるスプートニク・ショックの頃の話だった。
よく考えると、この頃まで待たないと一介の高校生にロケット技術の情報など手に入るわけもないし、ましてや飛ばそうと思うわけもない。そう考えると、ツィオルコフスキーやゴダートがどれだけ凄かったかが改めてわかる気がした。
作中で気になったのが、冒頭でロケット「バンガード」が打ち上げ失敗をするときに、それがフォン・ブラウンの失敗であるように描かれていた点で、これは大きな間違いです。この時点でブラウンは陸軍配下で研究をしており、件のバンガードは海軍が開発したもの。この失敗を受けて、ブラウンが打ち上げたのがアメリカ初の人工衛星エクスプローラー‥‥
といった時代背景があって、当時のアメリカがロケット技術に非常に関心が高かったということも、この作品のストーリー(実話に基づいている)に反映している筈。終わっていこうとする炭鉱の町から、最先端分野を目指し、実現させた男が実在、する。アメリカというところは、夢の幅が広いなあと。
それにしても、あの真直ぐに伸びていくロケットを見ると、なんだか懐かしいような、なんか不思議な気持ちがするのは私だけなんでしょうか。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。