[コメント] 極私的エロス・恋歌1974(1974/日)
良くも悪くも原一男という人間に徹底的につきあわされる。観終わって、「つきあいたくはなかったな」と思う。
この人の動機がよくわからないのだ。極私的ドキュメンタリーってのも判る気はするが、だったらもっと面白くして当然だろうという気がしてならない。だって原一男なんて誰も知らねえんですよ。誰も知らない自分という人間のグダグダ恋愛を映画にして、それを人に見せる。だったらせめて面白くしてくれ、と思う。いや、この映画がまったくつまらないわけではない。それなりには面白いのだ。彼はちょっと異常なしつこさで1人の女性を追い、出産まで撮影してしまう。最低だけど、根っこのところで真面目な人なのだろう。でも、そこに興味はないんだよな。この映画の原一男の覚悟は、自分のケツの穴を晒す覚悟でしかないような気がする。そして、本当はケツの穴でさえやりようによってはエンターテインメントになりうるのに、彼はただケツの穴を見せればそれだけで凄い映画になると思い込んでいるように思える。しかしたかだかケツの穴ぐらい、オレだって誰だって持ってるんだ。
と、これは20歳の頃にこの映画を観たオレの感想。10年ほど経った今なら違う感想になるのかもしれないが、もう1回観る気はしない。
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