[コメント] 好色一代男(1961/日)
雷蔵を世之助にして、当時の大映の女優をとっかえひっかえ絡ませて見せ場を繋ぐ、一種、おちゃらけたオムニバスなのだが、やっぱり、増村は真っ当な映画監督なので、真面目にやらないと面白くならない。
まず、全体に美術も撮影もチープな出来で、これが一番宜しくありません。例えば、市川雷蔵が、江戸の場面で船越英二に連れられて遊郭・岡場所を巡るシーン、こういうところは美術で驚かせて欲しいと思う。あるいは、中村玉緒に出会う新発田の漁村のシーケンスもそうだ。浜辺と網元の家屋、飲み屋、墓場と場面は広がるのに、どれもチープなのだ。
さて、中村玉緒、こゝでも実に可愛い。藁の中で、雷蔵と二人抱き合う場面、棺桶の中で一瞬笑うカット、素晴らしい。そして、最後に出て来る夕霧太夫、若尾文子は矢張り別格だ。美しい。また、本作でも脚フェチの演出あります。あと雷蔵の母親役の瀧花久子が、なぜか分からないが、全然演技らしい演技をしないのは、かなり奇異だった。
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