[コメント] モ’・ベター・ブルース(1990/米)
やぶれかぶれの芸術至上主義に嫌気がさしはじめていた頃に、この映画と出会って救われた。ラストに希望をみて、勇気づけられた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公が成功する物語はもちろん、ジャンキーになって死んで神聖化されちゃったりする物語にもうんざりしていた頃だったので、「最後は日常の幸福にすがるのか?それでもよいのか?」というオチはかなり新鮮でうれしかった。
こーゆー人こそが、現実世界には最も多いのではないだろうか。哀しいけど、でも、とてもリアル。そして、それはそれで肯定してもいいじゃん、努力はしたんだからさぁ、と思いはじめていた頃だったので、このほのぼのしたラストには「おお!」だった。
で、そんな彼を「完全にダメな奴」として描かなかった「成功者」のスパイク・リーを、ちょっと好きになった。そういう人を「とことんダメな奴」と思う「成功者」が多いからこそ、完全なる成功もしくは死の物語が多いような気がしていたので。
…単に、この映画を見た当時の自信過剰なゼミ仲間にイライラしていただけかもしれないけど。創り出す能力に秀でていない者やいわゆるサラリーマンを馬鹿にするというか…。
ともあれ、夢というのは努力ありきで掴むものだとは思うけど、結果として掴めなかったらそれは夢ではない、とは思いたくない。そこに少しでも叶えるための労力があったのかどうか、ということは大事だと思うけど。
でも、子どもに夢をたくすのはどうかと思うぞ? 「親子で楽しい生活を満喫」ではなく、あれは「子どもに夢をたくすだけの生活」だったのか?ならばマイナス1点なので悩む。
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