[コメント] 人狼 JIN-ROH(1999/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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激しい殺傷シーンに目を覆いたくなる。特に元同僚殺傷シーン。裏切り行為が有ったとはいえ痛々しい。(横道:初見では気持ちがへこむ程痛々しく感じたのに、二度目は、「あぁ、撃たれ描写なんて、芸術的だよなぁ〜、すてき」なんて観ている自分に少し怖くなったのだが・・)
しかし、このバイオレンスシーンが、ラヴストーリーの効果的なアンチになっている。
非道行為ゆえに、主人公の少女への気持ちに揺れる心の葛藤が鮮明に、痛みとともに伝わってくる。特に、最後のシーン。それまでの殺傷シーンは、(少女の自決を除く)あれ程までにリアルに過激に描いていたにも関わらず(鮮血ドパー、体ブットビ)、靜かに血染みが広がっていくシーンのみに抑えている。饒舌な主人公でないだけに、そういう演出ひとつひとつが効いている。
沖浦監督は、最初に押井氏から脚本と構想を見せられて(まったく色気のない内容に対して)「ラヴストーリーにさせてくれないなら、やりません!!」とおっしゃったそうな。そうか、これは沖浦氏の渾身のラヴストーリーだったのか・・・って、それ、どうなの・・。
うーむ。
・・私も、嫌いじゃないんですけどね。
こういう作品をラヴストーリーとして絶賛してしまう男の人は、ちょっとヤだなぁ・・(横道:あ、沖浦氏、最近ご結婚されたようでなによりです)。べたなラヴストーリーも、押井テイストにかかるとこうもねじくれてしまうのか、はたまた、押井作品をべたなラヴストーリーに持っていくのは、これが限界だったのか。
いやはや。
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