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[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)

居場所?

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こういうのを「放蕩息子の帰還」とでも言うのだろうか。主人公の温厚なるホーマー君は客観的に見たなら決して「放蕩息子」じゃないけど、親の立場から見ればまさしく「放蕩息子」。「放蕩息子の帰還」ってのはあくまで親の保守的な立場(*)を是とした物語なのだと思うけれど、それも人生の一つの選択肢ではある。「お前の仕事は何だ?」。必要としてくれる人間の側にいる。自分ができることをしてあげる。(「触らないで、けど傍に居て。」)それが自分の人生の居場所として信頼できるなら、自分の決断で選択すればよい。この物語はべつに「こうすべきだ」と無闇に説きつけたりはしていないと思う。「こういう人生もある」と語っているだけ。こういう距離の置き方は好きだ。美しいロケーションや映画を動かすモチーフ(映画の始まりと終わりの列車、旅立ちの切っ掛けになるオープンカー等)で見せていこうとする配慮が、そんな感慨を抱かせるのかも。

セックスとそこから生まれる家族の問題はいつもジョン・アービングの物語の主題になっていたけれども、この映画はホーマー君の青春記としてまとめられてそれが前面にせり出してこない分、(良くも悪しくも)重さをあまり感じないで観ていくことが出来た。

あの孤児院の子供らは可愛らしい過ぎる。ホーマー君に惚れてるらしい女の子、何気ないけど印象に残る仕種や表情で描き出されていた。エカッタ。

*)保守的と言っても、ホーマー君の親(?)は世間からすればその良識にあきらかに反した(けれどそれなりに理は通っている)規範に遵っているのだが。

(評価:★3)

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