マーフが海に落ちたときに仲間がとった行動。この話は最初に「Based on true story」と実話であることが強調されているが、この一言が心底堪えたのはこのシーンだけだったような気がする。それ以外は、無謀にも嵐に突っ込んでいった船長はじめ乗組員たちを英雄視しているような気がして、ちょっといただけないと思った。実話を描いた映画は多々あるが、その話をどの角度から描くかによって出来がずいぶん違うと思います。この映画ではその角度が、私の好みではなかったというだけかもしれない。

「グロースターの男」ってよく出てきましたけど、本当にグロースターの漁師でこの映画を見た人たちの感想はどうなんでしょうか。漁師が、船長がみんなビリーのように無謀だとは思いたくない。

映像がすばらしいことは認めざるをえない。それだけに見終わった後残念だという気持ちが強く残った映画。