[コメント] あの子を探して(1999/中国)
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絶句した! そして、心地よい涙を流した。
今の世の中・・ それもほんの目と鼻の先の身近な国で こういうことが、現実に行われているのでしょうか? 作中、ウェイ先生(ミンジ)が子ども達に教える事柄と同時進行に 自分は中国の文化を教えられる思いでした。
中国の物価指数は日本の 1/7〜8 くらいと聞きました。 2002年 10月現在のレートでいくと 1元=約14.27円 換算が面倒なので ここでは 1元=15円として換算します。
50元は、代用教員に支払われる一ヶ月分の賃金です。すると日本円で 約750円。 街までのバス代 20元 5角 = 約 310円 (往復で 620円)。 コカコーラ 3元=45円。 村の少年少女が街で働く一日分の労働賃金 2元= 30円 (T^T)。
こう考えると、お金がなく、、村の子どもたち 20数名で分けあって飲んだ2缶のコカコーラの味は 私たちが普段飲んでいるコカコーラの味とは、まったくもって格別の味だったかと思います。 その味は、酸っぱく甘くしょわしょわして、、とても言い表せない味だったのかもしれません・・??
そして、ウェイが流した涙の意味とは・・ 純粋に、ホエクーに会いたいから… 心配だから… という "だけ" ではないように感じるのです・・ 言葉に詰まったのも同様です・・ 一言で言い表せない、感情がこみ上げて来たのでしょう・・ ウェイ自身、自分の気持ちの変化を言葉にする事ができなかったのではないかと思うのです。 それは、自分の置かれている立場と、TVの世界(街)とのギャップ感でしょうし、、 自分に対しての悔しさや、 人を捜しているうちに、当初から帰りのバス代すらなく、、 有り金はたいき、尋ね人ポスター用の紙と墨汁を買ってしまい、 自分自身がすでに"迷子"になってしまってるという 弱い立場・・ …いろいろな、思いが感じられます。 そして、インタビュアーがマイクを向ける質問。 ウェイの訴えたい事柄と、質問の仕方には、大きなギャップを感じてしまうのです。
もちろん、局長さんや TV局のアナウンサー は、"善意"から手を差し伸べているんだと感じるのです。 それは、痛いほど分かるのです・・ けど、、けど、、 それは、ベクトルが100%合致している手の差し伸べ方ではなく、、 どこかに、ズレがあるような気がしてしょうがないのです・・・ そして、様々な寄付が寄せられ村の人・・ホエクー家族等、、救われるのですが、 それにも、どこか、ちょっとした違和感も覚えてしまいます。 (※注:否定しているわけではありません。ほら、国際的に日本がどこかへ寄付や援助をした時、方法が悪いと叩かれたりするでしょう? もちろん、気持ちとして全面的に肯定ですよ。)
しかし、、多少、方向性は違うとは言え、、 煉瓦運びは、迷惑だ!と言いつつ、子どもたちに 15元を渡す男の人や、TVの局長さん、 肉まん(?)をさりげなくホエクーへ差し出す露天商や飲食店のママさん・・ そして、村から町までの道、、通り過ぎてしまう車が多い中、 当たり前のように乗せて行ってくれるトラクターの人・・ 等々・・ 中国映画である本作品には、そういう 暖かさがあり、、、それがどこか羨ましくも感じてしまいます。 ひょっとして、日本は物質的に恵まれて来てはいるけど、 (いや、、ホントに恵まれない 人々も比率は少ないにせよいらっしゃるのでしょうが・・?) そういうちょっとした善意が薄れて来つつあるのでは・・?? などとも考えてしまいました。 いえ、、きっと日本人の心の底に眠ってるだけだ と、信じているのですが・・
2002/10/10
PS:なんだか普通の"映画"作品として観る事ができなかったので ☆4点ですが、ドキュメンタリー作品のように、とても心に残りました。
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