『Ｕボート』などと違いヒーローものとして製作されているので、都合よすぎるかもしれないが、その分主題は絞られており、途中でもハーシュ大尉がまた目的を説明してくれる。観客にいろいろ考えずに楽しんでくれという意図が伝わる。

また詳しいわけではないが、できるだけ忠実に再現しようとしているみたいで違和感は感じなかった。モデルとなった作戦に参加した軍人などがオブザーバーとして参加しているだけのことはある。ディーゼル式潜水艦の閉塞感が伝わり、緊迫感が伝わってきた。

やや脇役の描き方に物足りなかったが、主人公の成長を中心にしているのでしょうがないところだろう。ボンジョビはそれほど目立たなかったし、コックの黒人も黒人枠かな？という気がする。まあその辺描くと時間も長くなってしまうし。ドイツ軍の描き方も簡単で悪役に徹している。

ただこの任務の重大さ、過酷さをもうちょっと描いて欲しかった。敵の暗号を解読するということの重大さは情報戦での必須事項であり、それを防ぐ側との熾烈な戦いがあるはずだ。映画でも触れているが海兵隊員でない彼らがそれを行うことは非常に勇気が要る。その辺の乗組員の恐怖感がいま一つ伝わらなかった。

しかし爆撃シーンは迫力がある。これをＴＶのスピーカーだけで聞いてるとこの映画の真価は伝わらないと思う。映画にもいろいろあるが、これはその爆撃を観客も体感するというアトラクションみたいなものだと思う。観る人もそこを目当てにしてる人も多いと思う。スピーカーなどを変える度にチェックしたくなる映画だ。