[コメント] 卒業(1967/米)
ブルーレイで再見。気がついたのは、この映画の最後のセリフが、有名な教会のシーンの混乱の中での母娘の会話だったこと。Mrs.Robinson: Elaine, it's too late! Elaine: Not for me! 単純なフレーズだけど、エレーンの決然とした言い切り方に、来るべき女性優位の時代の幕開けを感じた。ベンジャミン、大丈夫かなあ?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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全体の構成感もしっかりしていて、それも再見に耐える作品になっている大きな理由。映画は、東部の名門大学を優秀な成績で卒業した主人公=ベンジャミンが、飛行機でカリフォルニアの実家に戻ってくるところから始まる。空港では、ベルトコンベヤーで運ばれる手荷物と同時に、自分もオートウォーク(動く歩道)で運ばれて行く。どこか落ち着きのない、焦燥感、虚無感を漂わせているベンジャミンが、途中、すれ違った女性を振り向いて目で追うあたり、なかなか芸が細かい。この開幕のシーンに対応するのが、終盤、主人公が教会へと急ぐシーンで、クルマがガス欠で止まってしまい、そのため、最後は(親に買ってもらったクルマを捨てて)自分の足で走っていかなければならないことになるというところで、この映画のテーマを示唆する構成になっている。
それにしても直前に電話を借りにガソリンスタンドに寄っているのに、いくら気が急いていたとしても、何故そこで給油しなかったのかと疑問に思っていた。聞けば、この1966年製アルファ・ロメオ・スパイダー・デュエット1600の燃料計は、従来の機械式ではなく当時最新の電気式で、それがどうにも故障しやすい、と言うか最初から全く信頼出来ない代物だったそうな。なるほどと納得。まさか、それでわざわざこのクルマを選んだのだのでもないだろうけど。
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