[コメント] オリバー!(1968/英)
キャロル・リード演出のミュージカルでオスカー作品なんて、どうせ大したことないだろうと高を括っていたのだが、どうしてどうしてとてもよく出来ている。美術と撮影が素晴らしいが、素早いズーミングを効果的に使う演出も上手いものだ。
ビル・サイクス役のオリヴァー・リード、フェイギン役のロン・ムーディ、二人の対照的な悪役造型がいい。ビル・サイクスが影で登場するシーンは『第三の男』を想起させる趣向となっている。タイトル・ロールを演じるマーク・レスターは少々線が細いが、ドジャー役のジャック・ワイルドが図太い演技を見せる。
ミュージカルナンバーは地味めなものが多いのだが、「Consider Yourself」と「Who Will Buy?」という屋外での大掛かりなミュージカルシーンが素晴らしい。また、フェイギンのアジトで子供達とナンシー・シャニ・ウォリスが加わって歌い踊る「I’d Do Anything」のシーンが楽しくてお気に入り。馬車の真似をする演出がふるっている。
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