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[コメント] やかまし村の子どもたち(1986/独=スウェーデン=伊)

大人に都合の良い子供は誰一人おらず、皆が自分の意志を持ってはじけんばかりに生きている。私が何より感動したのは
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヨハンの話を聞いてる時、隅っこで欠伸してる子がいるんですよ。普通の映画なら、喋っているヨハン以外の人が起こす行動は“意味がある”ものでなくてはいけないと思うんですよね。それがこの映画では“意味がない”んですよ。ただ、本当に素直な“意味がない行動”なんですよ。これってどんなCGよりもスゴイと思うんですよ。でも、よく考えると普段の生活なら当たり前なんですよね。どんなに真剣に話聞いてても(欠伸をしてる彼には純粋に退屈だったかもしれないが)、眠い時には欠伸が出ますよね。本当にすごく素直なシーンで、これがこの映画のすべてのような気がしました。

あのシーンをあざとくなく表現できるのはハルストレムぐらいだろうなと思いました。彼はカメラ越しに“撮ってる”んじゃなくて“見てる”んだろうなと感じさせます。また“見てる”とも違って、“包み込んで”いるんだろうなと。直線的な目線でなく、ふろしきみたいに彼の目線が広がって、人々を、映画全体を包み込んでいるみたいな感じなんですよ。何だか上手く表現できませんが(ジェスチャーならできる自信があるんですが)…

やっぱ、ハルストレムっていいなぁと感じさせる一作でした。子供は彼に撮らせるのが一番ですね

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)NAMIhichi[*] ことは[*]

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