[コメント] 夜(1961/伊)
サイン会に退屈したジャンヌ・モローがぷらっと町へ出る。この件は最高最強だ。泣いている子供、壊れた時計、なぜか開けてみる錆びた扉。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アイスクリームにかぶりつく老婆、強風、ジェット機の爆音、チンピラの喧嘩の仲裁、子供らの飛ばすロケットと白煙。そして次のカットでマストロヤンニはふっと昼寝から醒める。まるで彼の夢だったかのようなのだ。
富豪邸宅での「夜」もいい。雨のプールから夜明けのジャズまで享楽は典型を射止めている。モニカ・ビッティが適当に始めた遊戯が次のカットで大盛況というのが悪夢めいている。才気走った演出がすごい。手当たり次第に素晴らしい描写を連ねている。
「愛の不毛」(日本での宣伝文句)なラストの芝生での絡み合いは詰まらない。私はアントニオーニってこれさえなけりゃいいのにと思ってしまう。誘われたら相手しちゃう男と女、自分の書いたラブレターを覚えていなかった、ガーン! みたいな収束は、バカバカしくないだろうか。
モローの笑顔が多いのが意外で感じいい。富豪の奥さんは北林谷栄に激似。
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