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[コメント] クレイドル・ウィル・ロック(1999/米)

まとめているようでまったくもってまとめそこなっているようなところがすき。
ALPACA

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ティム・ロビンスの狙った効果ほど、映画を観る者へ伝えることができてないのかもしれない。もう、器用なんだか不器用なんだかわからない演出家としての彼。だけど、そこに、間違いなく、伝えたいことがあって、わざわざ映画を作りました。という志を感じられて嬉しくなる。

冒頭のスペクタクルな長いワンシーンは、おそらく彼が敬愛する群像映画アルトマンへのオマージュからして、伝わらないよ。でも、そんな凝り性なところにわたしは勝手に惚れる。

様々な登場人物のメロドラマ的な構造や、政治的背景やらも、群像劇の陥りがちな感情移入のし難さに嵌ってしまう

それでもそれでも、「感動してくれ!」と言わんばかりのラストの劇場場面では、展開が読める。という言葉では説明しきれない、本物の、高揚感の演出に成功している。でしょ。でしょ。

そして、それは表現者である「彼」のメッセージが、彼の本物の体から出ていたからだったんだと。

*ラストのラスト。腹話術師のトミーが使っていた腹話術の人形の葬式が、現代のニューヨークへ移る。という場面にもまた、彼の、この映画が喚起していた、ナニモノも表現を規制させることはできない。とか、それらを起こす人々の誇り。とかとかの主題は現代にも繋がっている。あるいは、現代にも解決されていない。というメッセージだった。としても、やはり伝わりづらいけど。そんな、やっぱり不器用なところも大好き。

(評価:★4)

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