予備知識なしで観たので最初は面食らったが、次第になれてきた。映画にするような代物ではない地獄絵図、映画らしさを否定するかのような手持ちカメラなど重たくて重たくて仕方がないので、背負い切れないような人も多いだろうが、僕はなぜか好きだ。ミュージカル・シーンだけカメラが普通になり、映画を観ていたことを思い出させてくれる。いわばこの映画のオアシス。不器用でかたくなな女性の破滅的な生き方、でも彼女が選んだ人生なんだ。嫌悪感を抱くのは当然だ。だけどそれを笑う権利など誰にもない。