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[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)

苛酷な現実にあって尚も圧倒的な輝きを放つセルマの生き様を描き切ることで,トリアーは,生きることの素晴らしさを擁護してくれた!
moot

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「生きることは素晴らしい」という,当り前のようでありながら,心底納得するのがとことん難しい命題に,トリアーは真っ向から取り組んだ.その切実さゆえ,彼は,この命題の擁護に,インチキのない徹底したリアリズムを必要とした.

「生きることって本当に素晴らしいのだろうか?」という問いを,ぎりぎりのところまで突き詰めた結果,トリアーは,不条理で苛酷な運命をセルマに背負わせ,この命題を徹底的に否定しようとする.しかし,セルマの生き様は尚も圧倒的な輝きを放つ.かくしてトリアーは,否定しきれぬ生の輝きを示し,その素晴らしさを擁護した.

(2003.5)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ふみ[*] ジャイアント白田

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