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[コメント] 舞姫(1989/日=独)

体制側の敷設した包囲網に帰依してしまう主人公の葛藤と苦悩と悔いを、郷ひろみが素晴らしい熱演で表現。内容もさることながら、郷ひろみの真剣な眼差しとドイツ語は油断大敵&見聞する価値おおいにあり。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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いやいや「やれば出来るじゃん篠田正浩」とまずは“岩下の旦那”の自称巨匠言いたい。だがしかし、ラストはきっと実は富士山を見た豊太郎に「ジャパン!」を言わせたかったんだと思うが、それを許さなかったスタッフに感謝というところか。

それにしても良かったなぁ。ホントに郷ひろみの演技は素晴らしかったし、内容に対して文句のつけるところがあまり見あたらない。「これは岩下志麻とノロケないで撮影した賜物なのか?」と勘ぐったが、意外と良かった勝因はそれではない。終始真剣な芸術作品になりえた勝因は、お遊びと篠田の十八番の実験を排し、脚本にハンス・ボルゲルトを招きいれ、撮影に宮川一夫を配置したからだろう。ストーリー展開と画面が非常に引き締まっていて、篠田正浩の脆弱なセンスをカバーして余りある働きを期待を裏切らずに果たしている、という印象を受けた。馴れ合いではない刺激をドイツに、そして郷ひろみに求めた賭けは大いに成功している。

2002/12/30

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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