[コメント] バトル・ロワイアル(2000/日)
暴力的に「暴力」が欠けている
この映画には何かが欠けている。エンターテイメントとしてのヴァイオレンス映画としてならそれなりにおもしろいと思うし、安藤政信や柴咲コウ 、そして個人的に最近ハマってる永田杏奈を観れたりする「学園モノ」としての若い役者の発見もある。が、それ以外何もない、なんにもない。
「暴力」の悲哀やむなしさ。単純だけど、それらがほとんど切り捨てられてる。時間的な制約、制作上の限界。どんな理由でこうなったのかぼくは知らないし、『仁義なき戦い』を熱心に観た事がない自分にとって深作欣二が「暴力」のむなしさを描いてきたのかもわからない。けれど、確かに言えるのは、深作映画が戦後の貧困を生き抜いた彼ら世代のジェネレーション・ムービーなったようには、本作『バトル・ロワイアル』はなれない。ぼく自身、この映画の中にその「暴力」(のむなしさ)を感じなかったが、この映画の外側(製作者側)にはどうしようもない暴力を感じた。
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もはや深作欣二は老害かもしれない。
ラストのメッセージは「文字」で示すべきではなかった。それは映画としての敗北宣言じゃないか。あくまでも映像として、そのメッセージ性を伝えるべきだっただろう。そんなに若いやつらをバカにしてんのか、そこまでしてあげないと「わかってくれない」と思ってんのか?そんな精神がある限り、もう深作には「青春映画」を描けないと思う。
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