[コメント] バトル・ロワイアル(2000/日)
子供の描写は心にひっかかるところもあるけど、なんで殺し合いやってる時に能書きをたれんだろうとか、そういうことが頭に浮かぶ。
こういう題材で映画を撮るにはもっと監督の力量が必要だった。BRは映像的に人の気持ちを煽れる程の妄想ではある。他に妄想を撮る監督もいる。ただ妄想を撮る場合はその監督の色があるのだ。デビッド・リンチが撮る場合は彼の妄想に制御されている役者というのを映像ではっきり示す。BRにそれは無い。結局言いたい事を解ってないから役者が制御されてないまま細切れにして放置している。こういう映画に完全に整理された答えなど無いのは知ってる。でも整理をすれば答えではなくても感じることがある筈だ。それは全く無かった。
私がこういう校内戦争を題材にしたもので思い浮かぶのは。
コロンバイン高校の事件当日の映像では無くて、どういう過程で犯人が殺す意思を持つに至ったかの調査のほうだ。殺戮と自殺の後に過去に遡って犯人が学校内でどういう存在であったのか。(実際は学級から疎外されていたという報道がある)その後のアメリカでの報道(銃業者や学校や教師や地域の委員達が訴訟を起こしあい責任の擦り付け合いをしているという)。そして更に教室を管理していこうという動きがある。こちらのほうがBRより全然強い物語の重み、骨格がある。(当然だけど)
私個人で言えば犯人は殺戮の後に自殺したのが興味深い。ただ憎しみだけでは無く罪の感覚がある。(手前勝手な責任の取り方だけど)
事件物は現実のほうが強い。世界貿易センタービルを見てその思いを強くした。様々なドキュメンタリーは衝撃だった。映画に現実に勝てとは言わないが迫るものを見てみたい。
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