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[コメント] 簪(1941/日)

過去の遺物になってしまった女性像だが、主人公の女性の気持ちが画面一杯に伝わってくる。傑作だ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







男の「囲い者」所謂二号さんが主人公であるが、昨今ではもう過去の遺物になってしまった。昔は当人が好むと好まないとに拘らず、そういう境遇に陥っていく女性がいたが、最近では、商売(と迄いわないにしても)好きでなっている、自分に合っているという感じでやっているようだ。

映画はそんな昔の女性が「暗いじめじめした生活」から「明るいお天とうさんの下での生活」へ目覚めるさまを一つ一つじっくりと描いてゆく。原作はさすがに井伏鱒二なので話し自体はしっかりしているが、清水も映像表現で自分のものにしている。

ともあれよく出来た作品で、題材が古い為かあまり取り上げられないようだが、彼の代表作の一つに数えても良いのではないかと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

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