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[コメント] キャリー(1976/米)

キャリーは自分がキレイなこと知ってたのかな。知ってたのかも。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







男に逃げられて宗教にどっぷりの母親に抑圧されながらも、「私は普通じゃないの。私はみんなと同じになりたいのよ!」「これは胸よ。みんなに付いてるわ。」「何があってもプロムに行くの!」ともっともな反論をし、その意志を貫くことができているキャリーは、その発言通り自分がクラスから浮いてて気味悪がられていることも十分承知で、「高校でたら殻を脱ごう。」とでも思ってたんじゃないだろうか(大学デビューというやつ)。ひとたび本気を出せば、オシャレすることもメイクすることも臆することなく全部一人でできるし、やはり「自分はやればできる。」というのをよくわかってたんじゃないかと思う。周りが思っている以上に自立した女の子だったんじゃないか。いじめられっ子に甘んじていたのは、自分の才能(超能力)を人目から避けるためだったのかもとか、ちょっと無理やりな想像も膨らんでしまう。いずれにしてもこの人物の中で一番客観的で大人な性格であることは間違いない。(トミーの誘いが罠だって見抜いたりするし。)そんな性格でも知識として生理という物をを知りえなかった彼女の環境は、本当に胸が痛い。明らかなのは、あの母親を異常とは知りながらも哀れで見離せないくてそして愛していたということだ。ラストシーンの串刺しにした母を助け出そうとするシーンがつらい。(手がひっかかるところも痛い) それにしてもこの母親役のパイパー・ローリーがもっと怖かったらもっと良かったのに。常軌を逸した人のオーラが出てない。目が正常すぎる。それに比べてシシー・ペイセクは美しすぎる。しかもこの時27歳なのか!天才。

王道のホラーと語り継がれるだけに話がとてもシンプルで良い。でも疑問が残るのはスーが自分のプロムの相手をキャリーに譲ったことだ。あれは彼女も不良仲間としめし合わせていたずらの片棒をかついでいるんだとずっと思っていた。そうでないとおかしい。高校最後の晴れ舞台を、昨日までタンポン投げつけてた奴に譲るなんで道理が合わない。わざわざプロムクイーンが発表される時間帯にのぞき見しに行ってるし。原作は知らないからどっちかわからないけど、スティーブン・キングデパルマが途中で「一人誰か生き残らせて罪の意識を持たせた方がおもろいな。」って思ってそこだけ変更したとしか思えないほど、取って付けたような筋だ。そんなに急に人間は親切にならない。

ホラーには強いという自信から一人で晩ごはん食べながら見るという余裕をかましていたらラストシーンで思いっきりひっかかった。怖かった。(10/10/24 VHS)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ダリア[*] ぽんしゅう[*]

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