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[コメント] キャリー(1976/米)

学園の充実ぶりに比べて母子関係の描写が薄いのが残念。キリスト教異端に対する視点が『エクソシスト』並みに充実していれば秀作だっただろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
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イジメに関する皆さんのコメントが、とても興味深い。これらの感想を惹起したことで、本作は以て瞑すべしと思う。私は幾らかあざといと観てしまったので、有益な感想は書けそうにない。いくら惨劇を起こしても堕ちて行くしか先がない主人公の哀れが、もうひとつ心に沁みないのは、キリスト教異端に対する視点がお座なりだからではないだろうか。その点、『エクソシスト』などのような秀作に比べて、踏み込みが足りないと思う。最後、家の崩壊にもかかわらず目を光らせているキリスト像は、私にはただの思わせぶりにしか見えない。ラストは驚きだが、真面目な映画と見るには大いに蛇足。

ヒッチのパクリという非難を浴びがちな監督だが、本作ではじらし方(ちとやり過ぎ)とシャンシャンいう音楽の他はさほどでもない。ダンスの仰角長回しなんかいいショットだ。ベストショットは冒頭の、斜めに滑って転倒する自転車だろう。こういうショットがクライマックスに散りばめられていればいいのに、分割画面は迫力に乏しい。悪役含め俳優たちの熱演は素晴らしい。

大発見はあの豚小屋。ドクター・ジョン「ガンボ」のジャケ写の場所ね。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ダリア[*]

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