[コメント] 戦場にかける橋(1957/英=米)
ベクトルの違ったロイヤリティー
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ロイヤリティ=忠誠心。英兵の忠誠心は本来自国や女王陛下に向けられるはずである。ところが橋梁建設が進むに連れて、期限までの完成こそが捕虜としてのプライドを守るのだとして、傷病兵でさえ建設に加わる。まぁ、ここまでは捕虜としての行動、許せよう。
プレッシャーから夜中一人泣きしていた斉藤大佐の”人間”も描かれている。
結果として、不可能ではないかと思われたクワイ川にかかる橋は完成した。英兵は戦いに負けて、誇りで勝利したのだ。
さて、問題はラストシーン。ニコルソン大佐は橋の爆破を阻止せんとする。橋の完成(日本軍への協力)という間違ったベクトルが頭脳を支配するのは、疲労と閉ざされた空間によって起こされる洗脳に近い状態と、斉藤大佐の執念の憑依がニコルソン大佐に起きていたとみられる。しかし、はたと気付く! 自分は何のために戦争をしているのか? そして、視線は爆弾の起爆装置へ。彼は近くに着弾した、爆風によって朦朧とする。結局、倒れて偶然スイッチを押したのか、執念で押したのかがハッキリしない。
それは帽子を被る場面が余計だからだ。起爆装置のスイッチを押すのが最優先なら、そんな場面は不必要なのだ。
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