[コメント] ギャンブラー(1971/米)
従来の西部劇とは光線の具合からして違って見えるのは、単に緯度の問題か、それともヴィルモス・ジグモンドのカメラのためか。無様な一瞬を拡大するスローモーションが切ない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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だが、何と云ってもこれは「雪」に尽きる。ラストのガンファイト(果たしてこれをそう呼んでよいのだろうか)を包む雪の、その情景の静謐さ。「雪の西部劇」にはド・トス『無法の拳銃』やフォード『捜索者』の一場面など、私のきわめて貧しい映画記憶に限っても幾つかの先例を見出すことができるが、ここでアルトマン/ジグモンドが見せる雪の画面の佇まいもやはり強く胸を打つ。蒸気トラクターの馬鹿馬鹿しい存在感を含め、そこでは間の抜けた出来事しか起こっていないにもかかわらず、私の心は切なさで引き裂かれてしまう。そして横たわるジュリー・クリスティと雪に埋もれるウォーレン・ベイティのカットバックがさらに追い討ちをかける。
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