[コメント] 雁の寺(1962/日)
若尾文子演じる里子の主役化で、小坊主慈念の性格づけが原作よりわかりやすい。慈念こそ日本のオイディプス。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
捨て子であった慈念は、里子に理想の母親像を重ね合わせていたが、彼女は慈海和尚の囲い者であったため、否応なしに女の一面を見せつけられ苦悩する。二人の痴態をかいま見たあと、必死に墨を磨って気を落ち着かせる姿は、自慰行為の暗喩に他ならない。
苦悩の矛先は、里子を女にしている張本人の慈海和尚に向けられ、ついに慈念は完全犯罪をもって慈海を葬り去る。
優しくされればされるほど苦悩する慈念に、里子が自ら身体をひらく場面がなんともいえず倒錯的。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。