[コメント] 小説家を見つけたら(2000/英=米)
物語は派手な山場も無く淡々と進む。しかしそれがなんと心地よいのだろう。ロブ・ブラウンの静かでありながら強い意思を感じる演技。やわらかに聴こえてくる音楽。スタッフロールが終わるまで席を立ちたくない、そんな映画。
説教じみているわけでも、感動を押しつけてくるわけでもない。「いつまでもこの心地よい空気に浸っていたい」そう感じさせてくれる映画だった。
ショーン・コネリーは語るまでもなく素晴らしいが、ロブ・ブラウンの静かな演技が素直に作品世界へと感情移入させてくれる。人種偏見など刺激的なテーマも潜在的に流れている中で、あえてそれを表面に押し出すことなく、淡々とラストまで話を進めたことで、二人のごく自然な友情が感じ取られ、なんともいえない幸福な余韻をもたらしてくれた。
クレアとの話が中途半端とか、ステレオタイプな登場人物など作品として物足りない点もあるし、邦題もいただけないが。「好きか嫌いか?」と問われれば間違いなく「大好き」と答えるだろう。★五つ
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