声だけで、互いの連れ合いが一度も画面に登場しないのに、なぜか錘のようにぶら下がるこの意地悪さが絶妙。

ああ、トニー・レオンのやつ、あの眉毛でトクしてるなあと思いながらも、なんとかしてやりたいとイジイジするが、そうは言っても、あの美しすぎる人妻(マギー・チャン)の気持ちもわかるような気もする。 それなのに、それなのに！！！彼女に決心をさせたのは、一夜限りの逢瀬で授かった子供だったなんて。

お昼のメロドラマのネタなのに、多くを語らず、語らせず、こんなに美しいフィルムが残ってしまった。この世界をこんな風に仕上げる人たちってすてきだ。