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[コメント] 天国の門(1981/米)

二一九分版。水面・雲・煙・炎といった定まった形を持たないものをどう撮るかに撮影者と監督の力量は端的にあらわれる。そのようなわけで、パラノイアックでさえある画面の完成度の高さは云わずもがなであるのだが、音響演出も一級品だ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ダンスやスケートなど突出したシーンはいくつもあるが、やはり終盤の戦闘シーンが比類ない。ここには悲劇性と活劇性が互いに高め合う関係が認められる。大抵の映画にあっては、悲劇性は活劇を阻害し、活劇性は悲劇を軽くしてしまうものだ。どうして『天国の門』はそれが可能だったのか。当たり前の答えになってしまうが、それはマイケル・チミノが長大な上映時間を持つこの映画のすべてのショットにおいてきめ細やかな演出を愚直に積み重ねてきたからだろう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジョー・チップ[*]

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