[コメント] 君の名は 第二部(1953/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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狐憑きの脱落したような川喜多雄二が「嫉妬を通してしか愛を表現できなかったんだ」と見事な自己分析を見せる。共犯関係にあった母の市川春代と衝突する。この展開が肝、二部三部まで制作する必然性が感じられる。惰性で法廷闘争に突撃するのは世間体もあるのだろうか(その後上司とも衝突するのだから違うのだろうか)、その辺の詳述があればなおいいのだが、プライドだけで続けるのでは弱い。「同居請求」というのは今もあるらしい。
本作は月丘夢路が準主役。この人、真知子に勝則との結婚を勧めた極悪人のはずだが釈明はあったっけ。日守新一の苦労人の判断は美しいが肉付け不足が如何ともしがたい。北原三枝のアイヌ女性の伝説げな顚末は間が抜けているが、この時代にアイヌを扱ったことだけでも立派。しかし、折角の濱田美術なのに、もう少し祭りとかしっかり描けなかったのかなあと残念。あれだけ儲けていたのに。北原の自殺も自分のせいと抱え込む岸惠子の救われない鬱病気質は凄味がある。
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